CLIP STUDIO PAINTを使ったイラスト制作と着彩のテクニックがしっかり学べるコースです。
イラストやマンガを制作するクリエイターに人気のソフト「CLIP STUDIO PAINT EX」を使ったデジタルイラスト制作のテクニックを、藤ちょこ先生から学びましょう。中心となるキャラクターの着彩はもちろん、ストーリーを感じさせる背景やアイテムの描き方、作品の完成度を高める仕上げまでの流れが学習できます。
独特の世界を描き出す、色使いの秘密に迫る! 先生のテクニックが、すべて見られます。
藤ちょこ先生が描くイラストの大きな魅力は、その独特な色使いです。このコースでは、キャラクター、背景、空間を彩るパーツなど、要素ごとに着彩のステップを学びます。色選びのヒントやツールの使い方についての解説をはじめ、立体感をつくる陰影の付け方、画像素材・テクスチャの活用方法など、藤ちょこ先生ならではの着彩方法が詳しく紹介されています。
ユーザからの質問にも、丁寧に回答。先生のコメントには、スキルを磨くヒントがたっぷり。
「オリジナルキャラクターを描く際に、参考にしているものは?」「正しいパースでイラストを描くには?」「もっと絵がうまくなるためには、どんな練習をすればいい?」など、イラスト制作についてのたくさんの質問に、丁寧に答えます。また「何歳くらいから絵を描いていましたか」「影響を受けた作家・尊敬している人は?」など、藤ちょこ先生の素顔がちょっと覗ける質問も。
【コース概要】
1章:やわらかな肌と深みのある瞳
・肌の色を塗る:薄い色を重ねながら、立体感とリアリティのある肌色をつくります。
・瞳とまぶたの着彩:ベースカラーを塗った後、補色も含めた色使いで複雑な色合いに。
ペンの「不透明度」や太さを細かく調整しながら塗り重ねます。目の部分は、基礎となる色を塗った後、細く線を重ねてまぶたを描きます。肌には紫やオレンジ、赤基調の目には水色や黄色など、印象の異なる色も重ねることで、より鮮やかで複雑な色合いをつくります。
顔を塗り終わったところで、キャラクター全体に陰影を付けていきます。2次元のイラストに3次元的な空間を演出するために、光と影は重要な役割を担っています。
2章:髪の流れと動きを描く色使い
・髪の流れを意識する:頭頂部から毛先への流れを意識したペンタッチがポイント。
・前髪のやわらかさと軽さ:髪色に肌の色を重ねることで、前髪の軽さを表現。
レイヤーを新規作成して、髪の毛の着彩を始めましょう。レイヤーの不透明度を80%程度にして、下絵の線や、1章で描いた影が見えるようにして作業します。肌の色をスポイトツールで取得し髪の毛の色に重ねると、透けたような印象になって前髪のやわらかさや軽さを表現することができます。反対に、影になるところには少し暗めの色を入れたりしながら、髪の表情を描いていきます。ポイントは「色彩遠近法」を意識すること。立体感を出すための色使いのヒントを、このパートで学びましょう。
3章:立体感のある衣服の着彩
・「固有色」と色の工夫:コスチュームの特徴や金属パーツの質感を出すには?
・「影」で演出する立体感:光源と影の位置関係をしっかり意識して。
平安時代の装束「狩衣」をモチーフにしたコスチュームや烏帽子に着彩していきます。各パーツの「固有色(パーツの素材が持つ、もともとの色)」をベースにしながら、それと対比するような色を差し色にすることで表情が生まれます。光源(イラストの中で、光のもととなるもの)の位置を意識しながら「影を描き出すように」色を付けていきましょう。ペンの太さや不透明度を細かく調整しながら色を重ねます。また、ひんぱんにキャンバスを左右反転させながら描いてバランスを整えるなど、デジタルツールならではの機能も活用しながら作業を進めます。
4章:ストーリーを感じさせる背景の着彩
・背景への着彩:作品全体のストーリー(設定)をイメージさせる要素を配置。
・奥行きを演出:正しいパースを描く工夫と、空間の奥行きを表現する工夫とは。
今回のイラストで中央に置かれているのは「花の妖力が集まって生まれた刀」。花びらの一枚一枚が持つ起伏と動き、光の当たり方をイメージしながら、ブラシの不透明度を細かく使い分けて色を重ねていきます。刀掛け(刀が置かれた台)は、漆塗りのイメージです。その手前にある布の赤色が反射したような色合いを表現することで、ツヤのある特有の質感を描きます。また天井の格子やキャラクターの背後に泳ぐ錦鯉は、空間の奥行きを演出するために重要な要素です。
5章:作品のクオリティを高める仕上げの工夫
・印象を整える:色調を整え、テクスチャを重ねてイラスト全体の空気感を整えます。
・質感を高めるハイライト:キャラクターの髪や瞳、金属部分などの質感を高めるには?
キャラクターが身につけているアイテムや、空間をつくる各要素の細部を描き込んでいきます。さらにイラスト全体にテクスチャを重ね、レイヤーモードを変更しながら、イメージするトーン(色調)に近づけます。キャラクターの髪には、周囲の色を反映したハイライトを入れ、空間との一体感を演出。キャンバスを拡大表示して細部を描き、縮小表示して全体のバランスを細かく確認しながら、完成度を高めていきます。
【講師の紹介】
藤ちょこ 先生
日本はもちろん海外でも多くの人気を集めるイラストレーター。ライトノベルの挿絵やトレーディングカードのイラストなど、多くの作品を手がけています。PixivなどSNSへのオリジナル作品投稿も継続中で、多くのフォロワーが新作発表を心待ちにしています。
2015年に画集『極彩少女世界 ―藤ちょこ画集』(ビー・エヌ・エヌ新社)を発売。また2018年発売の『美しい幻想世界とキャラクターを描く(超描けるシリーズ)』(玄光社)では、イラスト制作のテクニックだけでなく、キャラクターデザインや幻想的な世界観をつくりあげる手法についても紹介されています。
2018年12月には、挿絵を担当したファンタジー小説『八男って、それはないでしょう!』のアニメ化が発表されました。トレンドワードとなったVTuber(バーチャルYouTuber)の制作にも関わり、ロート製薬公式YouTuber「根羽清ココロ」のデザインを担当されています。